客が飛びつくものを用意する
トンチ名人の吉四六(きっちょむ)さんのことです。

 

あるとき吉四六さんは、彫刻の名人とネズミの彫り物を競うことになりました。審判は猫です。猫が飛びついた方が勝ちです。

 

彫刻の名人は、ネズミによく似たモノを彫り上げました。本物と見間違うほどで、今にも動き出しそうです。

 

一方、吉四六さんは、彫刻はまったくの素人で、出来上がったモノはネズミに似ても似つかない代物でした。

 

いよいよ勝負となりました。猫は名人の彫り物……ではなく、吉四六さんの彫り物に飛びついたのです。吉四六さんは、なんとネズミをカツオ節で彫っていたのです。

 

彫り物を競うという場合、常識的にはよく似たモノを彫ろうとします。

 

しかし、吉四六さんは常識や固定観念にとらわれず、「猫が飛びつく」にはどうすればいいかを考え、カツオ節で彫ったのです。的を射ています。

 

話は変わって、塾の生徒集めのことです。通常は、DMを出したりパンフレットを配ったりして生徒を集めます。

 

ところが、ある公文の先生は「迷路あそび」を配ります。

 

彼女は自分の教室の前などに立って、「この迷路あそびをやってみて。できたら、うちの教室まで持ってきてちょうだい。そしたらもう2枚あげるから」と言います。

 

子どもはさっそく迷路遊びをやります。うまく迷路を抜けてゴールにたどり着くと、とても嬉しいです。褒めてもらいたくて、あるいはもっと迷路遊びがしたくて、子どもは教室へと足を運びます。

 

子どもが教室に来ればしめたもの。あとは、「簡単な学力診断テストをさせる」→「その結果を保護者に知らせ、『公文に入ればもっと成績が上がるわよ』と誘う」→「入会する」となります。

 

吉四六さんは、常識にとらわれず「猫が飛びつく」方法を考えました。公文の先生は、従来のやり方にとらわれず「子どもが飛びつく」方法を考えました。

 

わたしたちも、常識や従来のやり方にとらわれず、相手が「何を求めているか」「何に飛びつくか」に目を向けたいですね。

 

ちなみに、わたしは公文に勤務していたことがあります。当時、実習の一環で生徒集めをしましたが、このやり方を応用しました。

 

わたしが用意したのは、当時はやっていた「ビックリマンシール」。息子からもらったものを下校中の男子生徒に見せ、教室に誘い3人が入会しました。

  


【2017/02/27 07:17】 | 前に進もう |


| ホーム | 次ページ